慶應義塾大学 大村研究室 Ohmura Laboratory



研究内容 > 天然ガス輸送・貯蔵

 天然ガス(主成分はメタン)をガスハイドレートに転化させ,天然ガスの輸送・貯蔵に利用することは,経済性や安全性において優れていると考えられる.現在天然ガスの輸送は,ガスを液化させて行われているが,液化のためには-162℃にまで冷却せねばならず,非常に大きなコストがかかっているのであるが,ハイドレート化して輸送すれば冷却のために必要なコストが大幅に抑えられると考えられる.その一方で,ガスハイドレートの安定した製造や貯蔵には高い圧力が必要となり,ハイドレート利用技術の問題の1つとなっている.
 本研究では,より低圧でのハイドレート生成・貯蔵を可能とするために,メタン‐水系に分子の大きな他の物質(大分子ゲスト物質)を添加し,ハイドレートの結晶構造を変化させる(図の構造Ⅰから構造Hへ)事で,ハイドレート化のために必要な圧力低減を目指している.様々な大分子ゲスト物質について,ハイドレート生成に必要な条件を計測し,より圧力低減に優れた大分子ゲスト物質を探している.