慶應義塾大学 大村研究室
News 論文投稿・学会参加
- 学会発表@第101回マテリアルズ・テーラリング研究会
2025年8月、軽井沢にて行われた第101回マテリアルズ・テーラリング研究会で、D3丸山めく、M2神谷怜男、佐藤充がポスター発表を行いました。
- ACS Sustainable Resource Managementにアクセプト!
2025年8月、M2葛西良之助と神谷怜男の「高濃度NaCl水溶液におけるCO2ハイドレートの結晶成長」に関する論文がACS Sustainable Resource Managementにアクセプトされました。
- 夏合宿@山中湖
2025年7月に、山梨県の山中湖にて夏合宿を行いました!
Research 研究概要
クラスレートハイドレート(以下ハイドレート)とは,水分子(ホスト分子)が水素結合によってかご状構造を形成し,その中に別の分子(ゲスト分子)が入ることで生成する結晶構造である.1つのかごにつき 1 つのゲスト分子が内包されるため大きなガス包蔵密度を持っている.また,結晶構造は主に構造Ⅰ,構造Ⅱ,構造 H の 3 種類があり,各々の結晶構造に定まったかご(ケージ)の大きさがあるためケージに入りやすいゲストと入りにくいゲストが存在する.
ハイドレートを用いた CO2 の連続分離では,一定量の水と H2+ CO2 混合ガスを連続的に供給し,同時に生成物であるハイドレートスラリ(水とハイドレートの混合物)を回収する.投入される気相の組成と排出されるハイドレートの組成が異なる.そのため連続で運転することにより、気相・ハイドレートスラリの組成が時間連続的に変化し組成が収束する.その系としての性能を評価するためには最終的な組成、随時の組成の変化を理解することが重要である.
本研究室では水素混合ガスからの水素分離、メタン混合ガス、窒素混合ガスなどを対象にハイドレート法によるガス分離可能性を探っている。
クラスレートハイドレートとエネルギー・環境技術
クラスレート水和物(クラスレートハイドレート,以下ハイドレート)とは,水分子が水素結合によって作るかご状構造の内部に別の物質の分子が包み込まれてできる結晶のことを言います.
ハイドレートには大きなガス包蔵性や大きな生成・分解熱等の物性があり,これらを活用した天然ガス輸送・貯蔵技術や空調技術など新規なエネルギー・環境技術の開発が進められています.
またハイドレートは自然界にも存在しており,これらの天然のハイドレートはエネルギー問題や地球環境問題と密接に関係しています.海底や永久凍土地帯に天然に存在するメタンハイドレートは将来のエネルギー源となる可能性があります. 南極やグリーンランドの氷床中に見られる空気ハイドレートは太古の大気を保存しており,このハイドレートの組成から過去の気候変動すなわち温暖化・寒冷化の履歴を解析する研究が進められています.さらには太陽系の惑星や衛星など宇宙空間にもハイドレートが存在する可能性が指摘されており,宇宙の成立との関係からも注目されています.
当研究室では新規なエネルギー・環境技術の開発,地球環境問題の理解と解決,及び地球・惑星・宇宙科学の理解へ貢献するためにクラスレート水和物の物性・特性を解明する実験研究を実施しています.
世界的な研究拠点として
当研究室では大村研究室としての研究活動に加えて,分子シミュレーションや熱統計力学モデリングといった理論・計算研究については泰岡研究室と連携しています.
さらに民間企業や国立大学,国の研究機関との共同研究や研究交流により,ハイドレートが関わる研究と技術開発における世界的研究拠点を矢上キャンパスに形成しています.
大村研究室では、熱工学に関する、基礎、応用研究を進めています
基礎1. 相平衡測定
基礎2. ハイドレートの結晶成長観察
基礎3. 界面張力測定
応用1. ハイドレートの食品応用
応用2. ハイドレート法による海水淡水化
応用3. PCMを用いた蓄冷技術
応用4. 重水ハイドレート共沈法によるトリチウム水分離
詳しくはResearchへ
Publication
大村研究室では積極的に海外の学術雑誌への論文投稿を行っています。
私たち、大村研究室では、次のような学術出版社に論文を投稿しております。
Elsevier、Springer Nature、ACS(アメリカ化学会)、Wiley(John Wiley & Sons)など
過去の投稿論文一覧はPublicationsへ
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