慶應義塾大学 大村研究室 Ohmura Laboratory



研究概要

クラスレートハイドレートとエネルギー・環境技術

 クラスレート水和物(クラスレートハイドレート,以下ハイドレート)とは,水分子が水素結合によって作るかご状構造の内部に別の物質の分子が包み込まれてできる結晶のことを言います.ハイドレートには大きなガス包蔵性や大きな生成・分解熱等の物性があり,これらを活用した天然ガス輸送・貯蔵技術や空調技術など新規なエネルギー・環境技術の開発が進められています.またハイドレートは自然界にも存在しており,これらの天然のハイドレートはエネルギー問題や地球環境問題と密接に関係しています.海底や永久凍土地帯に天然に存在するメタンハイドレートは将来のエネルギー源となる可能性があります.南極やグリーンランドの氷床中に見られる空気ハイドレートは太古の大気を保存しており,このハイドレートの組成から過去の気候変動すなわち温暖化・寒冷化の履歴を解析する研究が進められています.さらには太陽系の惑星や衛星など宇宙空間にもハイドレートが存在する可能性が指摘されており,宇宙の成立との関係からも注目されています.当研究室では新規なエネルギー・環境技術の開発,地球環境問題の理解と解決,及び地球・惑星・宇宙科学の理解へ貢献するためにクラスレート水和物の物性・特性を解明する実験研究を実施しています.

世界的な研究拠点として

 当研究室では植田・大村・横森研究室としての研究活動に加えて,ハイドレートが関わる実験研究については森研究室と,また分子シミュレーションや熱統計力学モデリングといった理論・計算研究については泰岡研究室と連携しています.さらに民間企業や国立大学,国の研究機関との共同研究や研究交流によって,ハイドレートが関わる研究と技術開発における世界的な研究拠点を矢上キャンパスに形成しています.