慶應義塾大学 大村研究室 Ohmura Laboratory



研究内容 > 相平衡(熱力学安定性)

 クラスレート水和物(クラスレートハイドレート,ハイドレート.以下ではハイドレートと表記する)は低温・高圧の条件下で安定に存在します.ハイドレートが安定に存在するかどうかはその周囲環境がp-T線図上でどこに位置するかによって決定されます.すなわち,周囲環境がハイドレートの平衡状態(ハイドレートとゲスト物質,水または氷が共存する状態)よりも低温・高圧側にあればハイドレートは安定に存在することができます.
 ハイドレートを利用した様々な技術を工業的に利用するためにはこの平衡状態がいかなる温度・圧力であるかを知ることが重要になります.例えば,メタンハイドレートを貯蔵・輸送する際には当然,平衡状態に近い状態にすることがエネルギー効率上優れています.ハイドレートの平衡条件はp-T線図上では蒸気圧曲線のように一本の曲線によって表されます.また,この平衡条件はゲストとなる物質によっても大きく変わってきます.そこで,当研究室では様々なゲスト物質についての平衡条件(平衡曲線)を明らかにすることを目的とした実験的な研究を行っています.
装置図